生まれながらにその弱さ故、誰からも見向きもされなかった哀れな子羊(カード)を強化転生することで、転生前のカードをこの世に未練を残すことないよう成仏させてあげようというコーナー。
今回は以前紹介した子羊たちと勝るとも劣らぬカードを供養しよう。
空虚自身/One with Nothing(黒)
インスタント
あなたの手札を捨てる。
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おや?エラーカードかな?と一瞬思ってしまうようなカード。続きのテキスト全部抜け落ちてるんだよね?え?違う?これで合ってるって?
1マナ払ってカード1枚使用して手札全部捨てる…オシマイ
よくこんなカードを作ったなあという感想。マッドネスと相性は良いと言っても、壊れすぎでしょ。(弱い方に)
当時の開発チームからも、「これはひどい」「蒼ざめた月よりも弱い」などとボロカスに言われる始末。
良い所を挙げるならば、イラストは味がある点。全ての雑念を取り払ったら、全部忘れてしまった。みたいな感じか?それとも、魂も消えた?
このコーナーの趣旨は、強いカードに転生させることで旧カードを成仏させてあげようってことなんだけど、イラスト見ると既に成仏してそうにも見える。
ちなみにフレーバーテキストにはこう書かれている。
「何も残らなければ、全ての可能性は等しくなる。」
うん。書いてることは正しいかもしれないが、相手の手札は残ってるんですけど?と突っ込みたくなる。
さて、これをどう強化していくか。
まず、インスタントで軽めというのはプラス評価だろう。これを基本コンセプトとして転生させてあげたい。
修正①
空虚自身/One with Nothing(黒)
インスタント
あなたの手札を捨てる。X体のクリーチャーとプレインズウォーカーとプレイヤーの組み合わせを対象とする。空虚自身は、それらにX点のダメージを与える。Xは捨てたカードの枚数である。
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うーん既視感満載だな。炎の嵐がタイムシフトしたら色替わっちゃったみたいになってる。しかも強制全捨てだから使い辛くなってる。
駄目だ。やり直し。
よくよく考えたら、コストでなく効果で一方的に自分のカードを捨てるだけって珍しいな。記憶にない。捨てる代わりに良いことあるよ、みたいな強化にしとくのが無難か。
修正②
空虚自身/One with Nothing(黒)
インスタント
あなたの手札を捨てる。あなたのライブラリーからカードを2枚探し、そのカードをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
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全部捨てるけど2枚引っ張ってこれる。このカードだけしか手札にないなら、ハンドアドバンテージもとれる。
これくらいの強化なら「おっ、ちょっと使ってみたいかも」って思わないだろうか。
しかし、正統派強化では面白みに欠ける。
元々このカードはぶっ飛んでいるので、方向を変えてみたい。
これで完成でいかがだろう。
修正③完成
空虚自身/One with Nothing(黒)
インスタント
あなたの手札を捨てる。次のターン開始時、あなたの手札が3枚以上である場合、あなたはこのゲームに勝利する。
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とんでもないカードが出来てしまった。
ターン終了時に戦場から手札に戻るカードとコンボが組めそうだし、他にも何かで手札に引っ張って悪さできそうだ。
このカード1枚でデッキを組みたくなるような、そんなカードに仕上がった。フレーバーテキストもこのカードに見合うものに変えておいた。
今回は自分好みのカードを作ることが出来たね。
それでは次回。